眼科医が知っておくべき糖尿病網膜症診療ストラテジー [MB Oculista no.144<増大号>]
眼科医が知っておくべき糖尿病網膜症診療ストラテジー [MB Oculista no.144<増大号>]

販売価格: 3,300円(税込)
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商品詳細
2025年現在の最新知見を網羅した内容で、10年後も治療の原点を振り返ることができる糖尿病網膜症診療の指針となる特集です。
糖尿病という広い分野に精通した内科・眼科の豪華執筆陣により、5つの項目に細分化し、基礎から将来への展望まで様々な点から解説しました。
I.内科治療 | ||
眼科医が知っておくべき内科糖尿病治療 | 外舘 祐介ほか | |
最近の血糖管理の考え方と糖尿病薬物治療のアルゴリズム,合併症予防が期待できる治療薬,肥満症治療といった内科糖尿病治療の現在について解説する. | ||
II.疫 学 | ||
眼科医が知っておくべき糖尿病・糖尿病網膜症の疫学 | 川崎 良 | |
糖尿病網膜症は糖尿病の細小血管合併症として頻度が高い.糖尿病網膜症の有病割合,罹患率や進行率について概説し,さらにスクリーニングについて考える. | ||
III.検 査 | ||
糖尿病網膜症における画像検査 | 平野 隆雄 | |
広角眼底撮影装置やOCT,OCTAは撮像画角の広角化や既存の眼科検査機器にはない利点から,糖尿病網膜症の日常診療で有用なだけではなく研究分野においても多くの新たな知見をもたらしている.しかし,広角眼底撮影装置では機種によって画像の色調が従来の眼底写真とは異なっていたり,検査の際に多くの光量を必要とするため強い羞明を訴えたりすることがある.また,OCTAはその特性上,FAでは容易に検出可能な血管からの漏出を同定することができないなどの問題がある.ただし,これらの問題は少しずつではあるが改良され,より良いものとなっている.我々眼科医は,常に情報をアップデートすることで検査機器の長所と短所を理解し,糖尿病網膜症診療において活用することが重要である. | ||
糖尿病網膜症における眼循環検査 | 花栗 潤哉 | |
現在臨床で汎用されている眼循環検査機器を定性検査と定量検査に分け,各検査機器の原理と有用性を最新のトピックも交え紹介する. | ||
糖尿病網膜症におけるERG検査 | 加藤久美子 | |
皮膚電極を用いて記録した網膜電図を利用して,糖尿病網膜症の早期診断や,治療が必要な糖尿病網膜症の判定を行うことができるようになった. | ||
IV.診 断 | ||
糖尿病網膜症におけるAI診断 | 高橋 秀徳 | |
現在本邦で用いられている病変検出,病期分類・光干渉断層像における糖尿病黄斑浮腫の所見検出,光干渉断層血管撮影のデノイズ,網膜無灌流領域の検出について紹介する. | ||
糖尿病網膜症診断における病期分類 | 村上 智昭 | |
視機能障害に直結する増殖糖尿病網膜症とその前駆段階の重症度分類,また視力をおびやかす黄斑浮腫と中心窩を含む黄斑浮腫の診断が重要である. | ||
糖尿病における角膜障害 | 白石 裕紀ほか | |
糖尿病で角膜障害をきたす機序と臨床所見,また従来の治療方法から最新の治療について解説する. | ||
糖尿病と虚血性視神経症,眼運動神経麻痺 | 前久保知行 | |
非動脈炎性前部虚血性視神経症,循環障害性眼運動神経麻痺において糖尿病は重要な発症危険因子である.また小児期に発症するIDDMと視神経萎縮を主症状とするWolfram症候群は覚えておくべき疾患である. | ||
V.治 療 | ||
糖尿病網膜症・糖尿病黄斑浮腫に対するレーザー治療 | 野崎 実穂 | |
糖尿病網膜症に対する汎網膜光凝固や,糖尿病黄斑浮腫に対するレーザー治療は,抗VEGF薬の登場により立ち位置が変化しつつあるが,いずれも重要な治療法である. | ||
糖尿病網膜症・糖尿病黄斑浮腫に対する手術治療 | 今井 尚徳 | |
PDRやDMEに対する硝子体手術の現在の立ち位置について解説する. | ||
糖尿病黄斑浮腫治療に対する硝子体内注射の実際 | 喜田 照代 | |
糖尿病黄斑浮腫(DME)患者の硝子体内注射は,「黄斑疾患に対する硝子体内注射ガイドライン」および「糖尿病網膜症診療ガイドライン」に準拠して行う. | ||
糖尿病黄斑浮腫に対する第一世代 抗VEGF薬治療 | 堤 和佳子ほか | |
糖尿病黄斑浮腫における第一世代 抗VEGF薬は,大規模スタディにより視力改善において既存治療への優越性が示されたが,リアルワールドスタディによりundertreatmentなどの問題点が浮き彫りになっている. | ||
糖尿病黄斑浮腫に対する第二世代 抗VEGF薬治療 | 山田 雄貴ほか | |
糖尿病黄斑浮腫に対する新しい治療選択肢として期待されている,第二世代 抗VEGF薬.それぞれの薬剤特性を理解し,臨床に応用できるよう基本的な知識をまとめた. | ||
糖尿病黄斑浮腫に対するステロイド治療 | 西 勝弘ほか | |
DME治療においてステロイド治療は,DMEの発症機序に炎症の側面があること,抗VEGF薬治療抵抗症例があることから,抗VEGF薬治療の次なる重要な選択肢となる. | ||
糖尿病網膜症に合併する血管新生緑内障の治療 | 楠原仙太郎 | |
糖尿病網膜症に合併する血管新生緑内障の治療では「血管新生の原因に対する治療」と「高眼圧に対する治療」を理解し,遅滞なく治療を選択・施行することが大切である. | ||
糖尿病網膜症・黄斑浮腫における新規創薬治療 | 鈴村 文那 | |
糖尿病網膜症ならびに黄斑浮腫の新規治療として,遺伝子治療,チロシンキナーゼ阻害薬のほか,病態解明の進歩に伴いVEGF以外を標的とした薬剤開発が進んでいる. |
商品仕様
著者 | 杦本昌彦/編 |
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出版社 | 全日本病院出版会 |
発刊年 | 2025年3月 |